2004年04月08日

●昭和初期のじゃんけん

サッカー日本代表監督のジーコは負けず嫌いで有名です。
ジャンケンに負けただけでも涙を流して悔しがる。
または「後出しだ」と言い張るのだそうです。

こういう人とはジャンケンをしない方がいい。

ちなみにブラジルのジャンケンは
「パール(偶数) オウ インパール(奇数)」といって、
指の数の合計が「偶数か奇数か」で争うやり方。

各自が片手で、好きな指の数を示して、
全員の合計が偶数ならば、偶数を出している人の勝ち。
奇数ならば、1、3、5を出している人が勝つわけです。

うちの本棚に「娯楽大全」という
昭和二年に発行された古い本があるのですが、
これを読むと、昭和初期の頃のジャンケンは宴会遊びの一つだったようです。
「じゃんけんをする」ではなくて「拳を打つ」と言ったみたい。

「拳の打ち方と独り稽古」の章の冒頭にはこうあります。


「拳は酒宴の席などの遊びに最もふさはしいものである。
 其上(そのうえ)運動にもなり、酒の酔を誘ひもするし、
 又飲み過ぎた酔をさましもする。
 酒席で上手な拳を見ると、誰しも打ちたくなるものだが、
 これも練習を要するもので、稽古を揉んでもらはねばならぬ。」

上手な拳!
練習を要する!
稽古を揉んでもらわねばならぬ!

かなり本格的です。
なんとなく「じゃんけん道」というものがあったような気配が漂っております。

せっかくなので、当時の代表的な「拳」を2つだけ簡単に抜き出してみます。

「藤八拳」
 狐(旦那に勝ち、鉄砲に負ける)
 旦那(鉄砲に勝ち、狐に負ける)
 鉄砲(狐に勝ち、旦那に負ける)
 掛け声は「藤八(とうはち)、五文、奇妙の拳」
(明治時代の岡村藤八という薬の行商が
 オランダ伝来の妙薬を「藤八、五文、奇妙に治る」と
 売り歩いた故事にちなんでいる)

「おいでなさい」(来い来い拳)
 狐、旦那、鉄砲は同じ。
 勝った方が「おいでなさい(または「来い来い来い)」
 と三度手招きをしながらいうと、
 負けたほうが「ヘイヘイヘイ」と三度おじぎする。
 これを大勢で向かい合わせに座って三人抜き、五人抜きになるまで続ける。
 掛け声は
「ヨイヨイヨイ来た、ヨイサノ、アイコで、ヨヤサノオイデナサイ」
 といった調子。

単なるじゃんけんなのは分かっているんだけど、
これ、妙にやってみたくなります。

ちなみに「娯楽大全」によると
「拳は打ち方の姿勢の善きを尊ぶもの故。
 独り稽古は鏡又は壁や障子に影を映して練習するもいい」
とのことです。

イザという時、恥ずかしい拳だけは打ちたくないもの。
各自こっそり練習しておきましょう。

Posted by tekigi1969 at 2004年04月08日 09:55
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