2004年09月03日

●戦争における「人殺し」の心理学

戦争における「人殺し」の心理学(ちくま学芸文庫)
デーヴ・グロスマン著・安原和見訳

最近読んだ本のなかで最も興味深かった一冊。
いわゆる「反戦」の立場から書かれた本ではないのがミソ。
膨大な事例を挙げてクールに分析していきます。

著者は心理学者、歴史学者にして、元米軍将校。
この本は米国ウエスト・ポイント陸軍士官学校、同空軍士官学校で
教科書として使用されているそうです。

ここで前提になっているのは、
「人は基本的に人を殺せない」というものです。

第二次世界大戦の頃まで、
ほとんど全ての戦争で、他人に向かって銃や大砲などを撃つことができたのは、
15~20%の兵士だけでした。
残りは撃つフリをしたり、当たらないように狙って撃ったり、逃げ出したりしていたのです。

戦争に行く前にアンケートを取ると
「死ぬのが怖い」と答える人が最も多い。
しかし帰還した兵士が最も恐怖を感じるのは
「目の前の人を殺すとき」なのだそうです。

この現象は、どんなに立派な大義があるときでも、
圧倒的に有利な状況でも変わらなかったそうです。

ところが、近年の米軍では
この数値が80とか90に達しています。
これは「殺人のための抵抗感を感じにくくする」ためのノウハウが蓄積された結果です。
この本では距離別、武器別、階級別、人種別など、
各条件での抵抗感とその克服法について詳述しています。

しかしその結果、
膨大な数のPTSD患者(精神的戦闘犠牲者)が生まれてしまいました。
ある程度の期間戦闘に従事すると、98%の人が精神に異常をきたすそうです。

だから
イラク帰還米兵、15%以上が精神障害 米陸軍研究所調査」(産経新聞の記事)
というのは決して多い数字ではなさそうです。
むしろ、こうした障害を減らす努力をした結果なのかもしれませんね。

詳しいことは本を読んでください。
一読の価値はあると思います。

最後に本書に登場するある古参兵(軍曹)の言葉を。
彼は戦闘の精神的外傷についての研究を、こう笑い飛ばしました。
「そんなやつらになにがわかるものか。
 童貞どもが寄ってたかってセックスの勉強をするようなもんじゃねえか。
 それも、ポルノ映画ぐらいしか手がかりがないときてる。
 たしかに、ありゃセックスみたいなもんだよ。
 ほんとにやったことがあるやつはその話はしねえもんな」

amazonはこちら→戦争における「人殺し」の心理学(ちくま学芸文庫)

Posted by tekigi1969 at 2004年09月03日 10:55
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コメント

カテゴリーから 本 雑誌 を 拝見しています
恐ろしい本ですね。戦争 怖いですね。
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Posted by 村石太仮面 at 2011年02月17日 22:08

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