2005年01月13日

●二人の「ツナミ」くんと「再犯率」について

1、不思議だなぁと思うのだけど、
  スマトラ島沖地震の直後に「TSUNAMI」と名づけられた子供のニュースが2件ありました。
  「名前」というモノに対する考え方が僕とはちょっと違うのかもしれない。
 「津波直撃の直後に男児出産、「ツナミ」と命名 インド」(CNNの記事)
 「インド洋津波:男の赤ちゃん、すくすく タイ・プーケット」(毎日新聞の記事)
  インドの子は津波から避難している真っ最中に誕生。
  タイの子はいきなり捨てられたのだけど、王室が引き取ってくれた。
  生後数週間で、いきなり「波乱万丈伝」出演レベルの人生ですね。

2、最近テレビで「性犯罪者の再犯率は高いから監視したらどうか」といったニュースを見ました。
  この前提として出てくるのが、「性犯罪の再犯率は4割」という数字。
  でも、これっておかしい。

3、「4割」という数字の根拠は、
  たぶん警察庁HPにある平成15年度の統計データです。
  公然ワイセツや強制ワイセツなどの「ワイセツ」罪の総数4161人のうち再犯者は1686人。
  1686÷4161=0.4051
  だから再犯率は4割以上となっている。
  でも、この計算には2つ間違いがあります。

4、1つ目は、再犯率という言葉。
  これは「ある犯罪を犯した人がまた犯罪を犯す確率」のことです。
  でも、この計算で出てくるのは
  「平成15年にワイセツ罪で検挙された人が過去に犯罪を犯した確率」です。
  これは正確には再犯者率というのだそうです。
  単純な例を挙げます。
  日本に今、100人の前科を持つ人がいるとします。
  このうち30人が再犯で捕まって、前科のない人が30人新たに捕まった。
  この場合の「再犯率」は30%(100人中30人が再犯した)ですが、
  「再犯者率」は50%(60人の犯罪者のうち30人が再犯者)になります。
  両者は違うデータなのです。

5、もう1つの間違い。
  4161人は紛れもなくワイセツ罪で捕まった人の数なのですが、
  そのうちの再犯者1686人の前科の罪状がバラバラなのです。
 「性犯罪者は何度でも同じ罪を繰り返す」という意味で考えるのならば、
  1686人のうち、前科が「ワイセツ」のものだけを抜き出さないといけない。
  同一罪種の前科についての統計も警察から出ているのですが、
  こちらの数字で計算すると、「ワイセツ罪の再犯者率」は10%強になるそうです。
  ちなみに傷害、恐喝は20%を超えています。
  なお、これは「再犯者率」です。「再犯率」ではありません。

6、前科のある人を監視したりする制度については
  色々な意見やら議論があっていいと思うのだけど、
  その前提がおかしなことになっていたらダメだと思ったので書いてみました。

7、多分大切なのは「その制度を導入したらホントに犯罪は減るのか」
  というような統計の方じゃないのかな。
  ちょっと話は違うのだけど、
 「コンビニのエロ本にシールを貼れば青少年は健全になるのか」
  といった順番で考えてみれば良いのだと思うのですよ。

Posted by tekigi1969 at 16:57 | Comments [8] | Trackbacks [0]

●本はすごいや

1、初めて出した単行本「アホウドリの糞でできた国」。
  色んな本屋さんで発見していただいているようです。
  (→『「アホウドリの糞でできた国」目撃情報』コメント欄参照)
  僕が確認した一番遠方の本屋さんは博多駅前の紀伊国屋書店さん。
  流通ってすごい。営業さんも書店さんもありがとう。
  もちろん手に取ってくださったみなさまにも感謝です。

2、今週末に、この単行本に関わった方々と打ち上げをするのです。
  これまで一度も御挨拶していない方もたくさんいるはず。
  きっと僕がまだ想像もしていない形で関わっている人もいるのでしょう。
  楽しみです。 

3、本を読んだ方から、少しずつメールを頂くようにもなりました。
  色んな感想があるんだなぁと思いながら読んでいます。
  ありがとうございます。参考にさせて頂きます。

4、ソーシャルネットワークmixiにナウル共和国のコミュニティができていました。
  昨年暮れに慌てて参加しました。
  mixiに登録なさっている人で、御興味のある方は是非どうぞ。

5、それにしても一冊の本にはものすごくたくさんの人が関わっているのだなぁと
  今さらながら痛感しました。
  それと、出版までを統括する「編集」という仕事のカッコ良さも分かった気がします。
  この機会にできるだけきちんと本の現場を憶えておかねば。

Posted by tekigi1969 at 10:39 | Comments [0] | Trackbacks [0]