2005年01月31日
●白米だけの幕の内弁当
ずいぶん前のできごと。僕と年上のその人は弁当を食べていた。
「年とるってのはさ、取り返しのつかないことが増えるってことだと思うなぁ」
「そんなに取り返しつかないですか」
「うん。つかないねぇ」
「うーん、少し分かるかなぁ」
ふと思いついて
「おかずだけ先に食べ終えちゃったのにご飯はまだたくさん残っている弁当みたいな感じ?」
と聞いてみた。
「それほどではないな」
「じゃあ、まだ大丈夫ですね」
「だってさ、ご飯だけの幕の内弁当なんて本当に取り返しつかないじゃん」
「いや、でも、おかずに触れていた部分には味がついているから-」
「その残った味だけで白米だけを食えっていうのか」
「あー、無理ですか」
「無理だよ。絶対に無理だよ」
「どのくらいご飯は残っているんでしょう」
「半分は残っているね」
「それは厳しい」
ちょっと考えました。
「となると、白米だけを美味しく食べるような気持ちになる必要がありますね」
「どういうこと?」
「だから、昔食べた美味しい焼肉のことを思い出すとか」
「思い出に生きろっていうのか、オレに」
「あー、いえ」
仕切り直し。
「でも、最初からバランスよく食べていればこんなことにはならなかったんですよね」
「うん」
「どうしておかずだけ、こんなに食べちゃったんでしょう」
「やり直せればやり直したいよな。でも無理なんだよ。もう一度食べても同じことになる」
「どうして?」
「最初に白米の量を教えてもらえないからだよ」
「うわ、なんて幕の内だ」
「しかもサケの切り身の塩味がどのくらいの濃さかも分からない」
「ひい」
「梅干しも食べてみたら甘いヤツだったし」
「ひどいや。年はとるもんじゃないですね」
新しい格言が僕の心に刻み込まれた瞬間でした。
こうして書き出してみると、
何だか村上春樹っぽいような、全然違うような。
ともかく、おかずは常に少しずつ残していきたいなと思います。
ホテルのラウンジでサンドウィッチを頼むとき、
必ず バドワイザーかハイネケンを一緒に頼みます。
付合せのピクルスを味わいながら、
隠喩を考えたりするのだけど…、さっすが。
見事な話題展開ですなぁ。
村上春樹な話 また話しましょう
一周年おめでとうございます。
あはははは おもしろーい
でも好きなおかずを残しておいたのにおべんとひっくり返しちゃったりしたらひどく悲しい。
やっぱりわたしは好きなものから攻めたいと思うのでありまス。
今から20数年前、大学受験の時には昼食はコンビニなどで買って持参した。
だが、だんだんと面倒になって、最後の大学では食パンひとパックと500mlの牛乳1本だった。
その春、その大学に入学した。そこしか合格しなかったからだ。そして、
同じ研究室の人間に、「お前が昼飯が食パンだけだったヤツか」と言われたのは、さらに2年後のことだった。嗚呼。
うぅむ。
白米だけしか残っていない幕の内弁当を前に、
天を仰ぐと、アラ不思議。
しらす干しとか、味付け海苔とか、おぼろ昆布とか、のりたまとか(笑)
そういうのがパラパラと舞い散る午後を想像すると、
明日も生きていける気がする、そう思う真夜中。
一周年おめでとうございます。
考えさせられるお話ですね♪
幕の内弁当のごはんだとキビシイかもしれないけど、
本当においしいごはんだとおかずなしでも
おいしいですよーん。
ごはんをお粥にして塩をちょいとぱらぱらでも
いいかも。
年を取るのってそんなに悪いもんじゃないです。
年寄りがいっているのですからまちがいないです(笑)
村上春樹っぽいです。この会話。
何の暗喩なんだろう~といろいろ
思いめぐらせちゃったりしました。
私は美味しい白米だったらそれだけでも
大丈夫ですね。とっても美味しい白米なら。。。
>車ノリっち
ありがとです。
そういえば君と初めてショットバーに行った時、
ピスタチオばっかり頼んでいたのを思い出しました。
当時はお互いそれしか知らなかったもんね。
>めぐさん
先に好きなモノを取るってのも、
弁当のはかなさを知る女心なのですねぇ。
ん?違いますかね。
>いずみさん
「お前が昼飯が食パンだけだったヤツか」
ってものすごく良いセリフだと思います。
一生続く友情の始まりを予感させる気がしますね。
>ne_sanさん
今はちょうど昼下がり。
ne_sanさんの髪には、無事、しらす干しが乗っているのでしょうか。
ゴージャスなおかずでなく、
ふりかけあたりが舞っているあたりに
現実を生きる人間のタフさを感じました。
>LINさん
ありがとうございます。
「ご飯だけでも美味しい」ってのは、
きっと本当なんでしょうね。
最近徐々にそう思うようになってきました。
円熟なのか妥協なのか自分ではまだわかんないですけど。
勉強しなくちゃですね。押忍。
>むぁさん
あー、よく分かんないものを刻んじゃってすみません。
おかずだけ残すような相手と一緒になりたい、
と思っている人はきっと世界にいっぱいいるはず。
その作戦はいけるかもしれませんよ。
>sunneko11さん
っぽいですか。そっか、気のせいじゃなかったんですね。
ちなみに、さっき、久住昌之さんっぽいとも言われました。
おかずがないと分かった時、
人は、美味しい白米を探すんですかねぇ。(しみじみ)
大丈夫です。村上春樹には「サーモン」は出てきても、「サケ」は出てきませんから。
私はおいしいおかずがかなり残っているのだけれども、もう手をつけていて、これ食べ終わったらどうしようかなーと考えながら食べてる感じでしょうか。食べ終わってしまったらきっと実はこのご飯が(おかずがあるうちは気がつかなかったけれど)結構おいしかったんだな、と思えたりするのかな。
すごくいいたとえですねー、それにしても。
私はご飯だけでもおいしく感じるので、おかずが邪魔な時があります。
特に冷や飯はおいしくて、それをおかずにあったかいご飯を食べたりします。
同じ感覚でタイ米をおかずにしたりするのも好きです。
ほんのり昆布の風味のついた味ご飯だと、一升はいってしまいます。
ところで、HN決めました。
チン・ぺーぺーです。
適宜さんに考えていただいたものを中国読みにしてみました。
どこかで見つけたらよろしくお願いします。
>LSTYさん
おおっ、なるほど。
サーモンにすると一気に世界が変わりますね。
選ぶ単語によってずいぶん印象が変わるのだなぁ。
>ふらんすさん
おかずを食べてる時にはご飯の味は分からない。
あ、なんかとてもイイこと聞いたような気がします。
>ne_sanさん
テレビのニュースを観ていたら、
愛媛の女の子は雪をモグモグ食べていました。
おかずになるのかな。
>ともちゃんさん
1升行きますか。それはすごい。
僕はお酒にしていただければ行けるかな。
HN決まったんですね。
御参考にしてもらえてよかったです。
どこかでめぐり合えましたら、よろしくです。




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