2005年10月19日

●ロックウェル硬度計圧子

1、敵わないなぁと思う人は
  世の中にいっぱいいるのだけど
  その「敵わなさ」があまりにも突出していると
  すごさが実感しづらくなって、途方に暮れてしまう。

2、CDプレーヤーのピックアップ用レンズは、
  溶かしたプラスチックを金型に流し込んで作る。
  ガラスを研磨するよりも安上がりだし、早い。
  ただし問題になるのは精度。
  レンズの表面をツルツルにするためには、
  金型がそれ以上に精密にツルツルでなければならない。

3、おっと。これは、ちょっと前に本で読んだ話。
  あまりにも興味深かったので、
  ネットで補足情報を加えながら、メモのつもりで書いてます。
  さて、話を戻します。

4、金型は工具で削ってつくる。
  だから、その工具の精度は金型よりも高くなければいけない。
  具体的には、
  直径2mmのダイヤモンド球が先端についた超精密切削工具を使う。
  これ、ロックウェル硬度計圧子というそうです。

5、このロックウェル硬度計圧子の先端部分の精度は、
  50ナノメートルのオーダーが保証されている。
  ようするに、2万分の1ミリ。
  実はこれ、職人さんが手作業で削っている。

6、ちなみに、目に見える光の波長のオーダーは数百ナノメートル。
  だから、この先端部分が本当にツルツルなのかどうかは
  光学顕微鏡を使っても、もう見えない。
  電子顕微鏡で光よりも波長の短い電子線を当てて、ようやく確認できる。

7、これをやっているのが、
  大阪ダイヤモンド工業(現在は社名が変わっているみたい)の
  堀口力さんをはじめとする職人さん集団。
  指先の感覚と音を頼りに作っているのだそうです。
  細かい部分は補聴器を使うのだとか。

8、すごい。カッコ良すぎる。
  いつかこの偉大な人たちに話を聞いてみたい。
  でも、その作業感覚を言語化するのは
  とてつもなく難しいだろうなぁ。

Posted by tekigi1969 at 2005年10月19日 06:01
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コメント

求人はしていないのだろうか?

Posted by のむ at 2005年10月20日 17:28

57メートル。。。

Posted by タイチ at 2005年10月20日 21:44

>のむさん
 てか知ってる、のむっちかな?
 どうなんでしょう。
 この記事では「後継者不足」と書いてあった記憶があるから、
 本気で行けば歓迎されるのかも。

>タイチくん
 いやいや。
 50ナナでなく、50ナノなの。
 

Posted by 適宜更新 at 2005年10月20日 22:04

堀口力さんは聴覚障害者。
音は聞こえません。
もちろん、補聴器を使用してもわかりません。
でも、ダイヤモンドを削ります。
もう、定年退職されましたが。

Posted by パロ at 2006年06月22日 17:15

>パロさん
 はじめまして、コメントありがとうございます。
 1年近く前に書いたエントリーなので
 うろ覚えなのですが、
 この話を引用した本では
 職人さん集団に聴覚障害者が多いとは書いてあったのですが、
 堀口さんがそうかは、分からなかったのです。
 確認できて、うれしいです。
 もう退職なさっているんですね。
 ご親切に教えてくださり、どうもありがとうございます。

Posted by 適宜更新 at 2006年06月22日 18:14

大阪ダイヤはアライトマテリアルに社名変更しています。
当時の堀口さんたちが培った技術で、UPC(ウルトラプレシジョン)バイトと言うものが出来ました。
この刃物がないとレーザー機器は成り立ちません。
輸出にもココムの許可申請が必要なものです。

堀口さんはじめ、先人達は偉大です。

Posted by 大阪ダイヤのOB at 2010年03月13日 16:04

>大阪ダイヤOBさま
 御返事遅くなりましたが
 コメントありがとうございました。
 社名変更なさっていたのですね。
 あれだけの途方もない技術ですから、
 ココム許可が必要なのももうなずけます。
 UPC(ウルトラプレシジョン)バイトについても何か読んで勉強してみます。

Posted by 適宜更新(古田靖) at 2010年05月16日 14:59

お世話になります。とても良い記事ですね。

Posted by ヴィトン バッグ at 2013年07月02日 17:58
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