2006年11月09日

●(ああ憧れの)印税生活

初めて単行本を出すことが決まったのは、2004年の秋でした。「これからは印税生活ですね」なんて友だちからおだてられたりして、あれから2年。おかげさまで、印税契約した書籍は計7冊になりました。(ペンネームやら編集協力のものも含む)ありがとうございます。ところが、ちっとも「印税生活」という感じにはなりません。なぜだろう。なぜかしら。考えるまでもなく、理由ははっきりしています。多くの本に重版がかかっていないからです。フランクリーにいっちゃえば、あんまし売れてないんです。ぎゃあ。

ついでなので、ちょっとだけ詳しく書いてみます。印税というのは、印刷された本の定価のうち何%かを受け取るという契約です。10%が目安だとよくいわれますが、実際にはケースバイケースで、他の人のことは知らないけど、10%よりは少なくなることが多いらしいです。たぶんだけど。んで、最初に書店に並ぶ分の印税をまず受け取ります。ベストセラーが約束されているような本でなければ、たいがい3000~7000部くらいです。これが初版。例えば、定価1000円で印税率7%で5000部刷ったとすると、35万円もらえる計算になります。その後、売れ行きに応じて新たに印刷すれば(これが重版です)、その分の印税が入ってきます。だから重版がなければ、お金がもらえるのは最初の1回きり。普通の原稿料となんら変わりません。そこから先は、いつ抽選があるか分からない宝くじをもっているような感じになるわけです。ただ、この宝くじには有効期限があります。それは絶版。こうなったら重版はないっす。おしまい。ただし、文庫化とかの復活の道もないわけじゃないみたい。

重版の経験は、2度あります。どちらも同じ本で、ペンネームで書いた単行本でした。発売された直後、たまたまその内容に関連したニュースが流れて、これが一気に売れたのです。amazonランキングも急上昇。発売日の翌日に電話がかかってきました。「重版がきまりました」。きゃっほー。でも、あくまでも落ち着いた声を装って「ありがとうございます」と答えました。でもきっと声、上ずっていたと思います。その2日後にも「もう1回重版します」との連絡。たった2本の電話で、何もしていないのに、初版と同じくらいの振込みがありました。こんな電話が毎月1、2回かかってきたら、もう何もしなくていいじゃーん。すげえじゃんと一瞬思いました。でも、世の中は甘くない。「これが印税というものか」と思ったのもつかのま、そのニュースが収束すると、売れ行きは急ブレーキ。重版も2回目でストップ。残念ながら「印税生活」できるまでには届きませんでした。んでもって、現在に至ります。

こんな感じで生活していると、ベストセラーが気になるようになります。レジ横に本が山積みされているエリアのことを、密かに「ビバリーヒルズ」と呼ぶようになったのも、この2年くらい。あそこに置いてもらえたらきっともっと売れるだろうけど、まず、その住民になるのが大変。あそこは、選ばれた本だけが住むことを許される憧れの住宅地なのです。いつか自分が出す新刊があそこにたどり着けることを願いつつ、でも、とりあえず手元にある宝くじにも希望を託し、今後ともがんばりたいと思います。

 

Posted by tekigi1969 at 2006年11月09日 13:20
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