2006年11月13日

●ひとが立ちつくす瞬間

こないだテレビを観ていたら、ニホンザリガニ(日本固有の小型ザリガニで、絶滅危惧種)のトピックを取り上げていました。どうやら本州の意外な場所にも棲息していたみたい。それを見つけたのがニホンザリガニを研究しているどこかの学芸員さん(男性)。表情、話し方だけで「ニホンザリガニのことがほんとうに好きで好きでしかたがないんです」てな雰囲気がすごく伝わってくる方でした。彼は、発見した瞬間のことを「立ちつくしてしまいました」と表現する。ニホンザリガニの体長は4~6センチくらい。すごく小さい。色も暗褐色で、ハサミは丸い。そんな地味なザリガニがゴソゴソうごめいている光景を前にして、ガクゼンとして、感動して、立ちつくす。すげえ、と思いました。なかなかこうは立ちつくせないですよ。うらやましい。

僕がさいきん立ちつくした瞬間っていつだろう。いま思い出せるのは、2年前のこと。初めて借りた市民菜園で自分の区画に置いていた肥料を盗まれました。袋に大きく「牛ふん」(完熟)と書いてあるヤツ。当時のブログによると2004年2月19日のことらしい。(参照→当時のブログに書いた記事)自分が牛糞を盗まれた日づけがすぐ分かるなんて、さすがはweb2.0。それはさておき。

2004年2月19日。たぶん晴れ。市民菜園にいくと、僕の牛糞がなくなっていました。誰かが持っていったというよりは、おそらく他の区画のひとが使っちゃったんだと思います。ちょうど春に向けて畑を耕す時期だし。その事実に気付いた瞬間はさすがにムッとしました。僕がおこづかいで買った牛糞なのに。勝手に使うだなんて。ひどい。ちなみにお金を払って糞を購入したのは、このときが初めてだったと思う。ひとまず、まわりを見回してみたけど、どの区画にある肥料袋も違う。鶏糞とか配合肥料という文字ばかり。「牛ふん」はどこだ。でも、なんとなく一生懸命探す気にはなれません。ナニカが違う。それはたぶん牛糞だから。上手く説明できないけど、牛糞は必死に探すには相応しくないモノだ、と僕のなかのナニカがそう言ったのでした。で、立ちつくした、というわけです。

この出来事以降、菜園に肥料は置かず、必ず毎回自転車で運ぶようになりました。いまは市民菜園の契約が切れちゃったから野菜はベランダでつくっています。牛糞はご近所迷惑になりそうなのでつかっていません。雨上がりの晴天だと、けっこう匂うんですよ、あれ。完熟でも。

 牛ふん 18リットル
 牛ふん 18リットル

Posted by tekigi1969 at 2006年11月13日 09:50
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コメント

「牛ふん(完熟)」

 ここまで破壊力のある商品名に出会ったのは初めてかも知れません。「うんちどっさり」とかいう便秘薬もすごいですけれど、あれには何というか雑念がある。「牛ふん(完熟)」はもっとクール、伝えたいことだけ伝える、でもすごい。

Posted by LSTY at 2006年11月13日 11:40

>LSTYさん
 機能美ってやつかもしれないですね。
 僕もこの名前にやられて
 買った記憶があります。

Posted by 適宜更新 at 2006年11月13日 16:34
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