2006年11月18日

●ダジャレとダ抑筋

わりに持論なのだけど「ダジャレを言いたい」という欲望は、誰のなかにも住んでいるものだと思う。年齢も関係ない。この欲はたぶん言葉を覚えるときに一緒に生まれて、10代になるまでだんだん大きくなっていく。んでマックスになったところで、急にいわなくなる。いえなくなる。個人差はあるけど、だいたい第二次性徴期あたりでほぼ消える。これはダジャレ欲が消えるんじゃなくて、欲望を抑えつける筋肉がつくんじゃないだろうか。ダジャレ抑え筋。略してダ抑筋。「だよくきん」と読みます、いま勝手に決めただけだけど。おそらく脳と口元の中間あたりにあって、欲望のままにダダ漏れになっていくダジャレを抑えつける働きをする。おじさん・おばさんが発するダジャレを遮断する役目もになう。朝がもっとも活発で、深夜になると少しずつ働きが鈍くなる。徹夜をするとほとんど機能しない。集団で夜更しするときの「修学旅行の夜現象」は、ダ抑筋の働きが滞ることによって起こる。

問題なのは、30歳を超えたあたりから急にダ抑筋が衰えるということ。とくに意識しているわけじゃないのに、つい漏れる。「この焼肉、焼きにくい」とかいってしまう。筋力が強いうちは「自分がいまダジャレを言っている」とセンサーが感応するんだけど、これも弱くなる。本人的には「ウマイこと言った」とさえ感じていることがある。自分がそうなるとは思っていなかったので、とても怖い。ダ抑筋を鍛えるすべはないのだろうか、と思うんだけど、よく分からない。とりあえずセンサーだけでも敏感にしておこうと心がけていると、頭のなかに次々と浮かぶダジャレを口に出したくて仕方なくなってくる。そして、自分よりも年上のひとたちが豪快に発する笑い声がうらやましくなってくる。「こっちに早くおいで」といわれているのか。同い年の友だちから届くメールに日増しにダジャレが混じっていく。タイトルが「よんきゅう」。いっそ向こう側に飛び出そうか、と逡巡しながら、踏みとどまろうとする。残り少ないダ抑筋に力を込めて抑えつける。でも、そんな思いを裏切るようにときおり混じる自分のダジャレ。「イカ刺し、いかさしてもらいます」。あんなに恥ずかしかったはずなのに、なんだか気にするのがバカバカしいような気がしてくる。ユーモアってこんなぐらいのものだったっけ。自分はすでに向こう側なのだろうか。認めてしまえばらくになるのかしら。でも、まだ戦わなくてはいけない。そんな気がする。エイリアンとかゾンビ映画で最後まで戦う主人公のようになりたい。あきらめない。たぶん。



Posted by tekigi1969 at 2006年11月18日 10:22
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コメント

「今の、落語では地口って言うんだよ」と教養に逃げてしまう自分はそろそろ向こうの世界に入ってきてます。

Posted by 佐藤R at 2006年11月18日 23:48

>佐藤Rさん
 わはは。いいですね、「地口」にするのは。
 イザとなったら使わせてもらいます。
 あ、いや、イザとなっちゃいけないのでした。

Posted by 適宜更新 at 2006年11月19日 17:19
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