2006年11月28日

●女流棋士会が将棋連盟から独立検討

1、将棋の女流プロ棋士で組織されている「女流棋士会」が日本将棋連盟から独立するのではないか、という報道が出ているようです。(参考→「女流棋士ら、将棋連盟からの独立を検討」読売新聞の記事)

2、拙著「瀬川晶司はなぜプロ棋士になれたのか」(河出書房新社)にも少し書いたのだけど、現在の女流棋士は全員、社団法人日本将棋連盟が定めているプロ棋士の定義「四段以上」を満たしていません。だから連盟の正会員ではなく、その意味ではプロではない。ちなみに、これは「男しかプロ棋士になれない」というわけではなくて、男女ともに門戸は開かれているのだけど、単純にそこまで勝ちあがった女性がまだいないということです。将棋のプロを目指す女の子が少ないという事情もありそうです。

3、彼女たちに「プロ」という肩書きを与えるのは「女流棋士会」です。この団体が定めている基準を満たせば、女流棋士になれます。当たり前なんだけど、こちらの肩書きを男性が名乗ることはできません。「男女それぞれの団体があるのなら、ふつうじゃないの?」と思うところなのですが、この女流棋士たちは、みな正会員ではないあやふやなかたちで日本将棋連盟に所属しているのです。まずここが分かりづらい。また、最初は男性と一緒に奨励会という棋士養成機関で四段を目指し、その道を断念して、女流棋士になるということもあります。この辺もちょっと分かりづらい。

4、まだ「独立を検討」という段階のようなので、どんな形になるかは分かりません。今回のニュースはこうした状況を変えて、自分たちの立ち位置を明確にしておこうという動きがある、ということだと思います。連盟の方針を決める総会に出席することもできず、基本給も厚生年金もない、という状況はたしかに相当厳しい気がします。6つの公式戦への出場権は得られますが、初戦で負けてしまえば対局料は1局分。彼女たちが得る対局料は一人平均年間100万円程度だという話も聞きました。それ以外は指導などで各自稼ぐわけです。僕と同じフリーランスに限りなく近いイメージ。いつかは、奨励会を突破して、「プロ」を名乗れるような女性棋士が登場することが理想なのだろうけど、そんな少女たちに希望を与える意味でも、この改革が良い方向に進むといいな、と思います。この件については、もうちょっと詳しい事情を関係者の方に聞けたら、また書くつもりです。

 

Posted by tekigi1969 at 2006年11月28日 11:13
トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://tekigi.hiho.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/1146

コメント
コメントしてください




保存しますか?