2006年12月13日

●安田老人vs都築響一トークショー

昨日、青山ブックセンター本店で「安田老人vs都築響一トークショー 『性豪』発売記念「性夜」」を見てきました。(本についての感想・説明は→こちら

表参道駅からオシャレな街をてくてく歩いてABCへ。本店に来るのは初めてだったのだけど、すごくアート系の書籍が充実している感じ。でもトークショー会場であるA空間内に足を踏み入れるとそこは異次元でした。真っ白なイベントスペースには開演前から「あはんあはん」という音声。安田老人がこっそりコレクションしていたというアノ時の盗聴録音テープがBGMとして流れている。部屋は薄暗くて、あはんテープは会話の邪魔にならないくらいの音量。でもみな気にする風でもなく、たたずんでいます。僕もマネして知らん顔。読みかけの「ドサ健ばくち地獄(上)」に目を落とす。「あはん。ああ」なんだか変な感じ。本を閉じてぼーっ。「うんうんうん。あああ」こういうテープ聞いたことあるなあ、とふと思い出しました。たぶん、中学生とか高校生のころだ。誰かにもらったんだろなあ。けっこう興奮して聞いた記憶がある。それにしても誰がくれたんだろ。ああいうのって、どんなルートで流通していたんだろう。もしかしたら安田老人コレクションがまわりまわって僕のところに届いていたのかもしれないな。もしそうだったらと思うと、なんだかどきどきする。

まずは、都築響一さんがスライドをつかって安田老人について説明。『老人』という一般名詞が呼び名になるなんて、デヴィ夫人か叶姉妹、安田老人くらいですよ、と言われて、そういやそうだなあと納得。単行本「性豪」に書かれていたことをざっとおさらいし、AV出演のきっかけをつくった伊勢鱗太朗監督も登場。そして、いよいよご本人が登場しました。杖をついてはいるけど、立ち姿がものすごくカッコイイ。一歩一歩に迫力がある。さすがに88歳なので声は少し聞き取りづらくて、ぼそぼそと話す。でも、耳をすまして聞いていると、その内容が「バイアグラをつかったら二日間勃っぱなしになって」とか「このビデオ(安田老人と某夫人の絡み)は相手のダンナさんが撮影しています」とかだから、びっくりします。僕が以前取材した某国会議員さんとは正反対だなあ、と思いました。あちらは声を荒立てないと、僕らが聞かないと思ってる。でも、安田老人はポツポツと平坦にすごいことを言う。耳が勃起しちゃいますよ、これは。

トークの合い間には、BGVとして、男優として出演したAVや個人的に撮影したというコレクションビデオ(もちろんご自身のセックス中の映像です)も流れていました。エロビデオをたくさん集める人はけっこういるけど、自分が絡み合っている映像を分類してきちんとコレクションするというのはかなり少数派だと思う。少なくとも自分はそれを見返す気持ちにはなれない。不思議だなあ、と考えながら見ていると、ビデオ中の安田老人が満面の笑みをみせる瞬間がある。それはたいてい相手の女性があえいでいるときでした。もしかしたら、この人はセックスそのものよりも、相手の女性が気持ちよくなっている光景が好きなんじゃないのかなあ。それならわりと理解できる。「ビデオよりもテープを聞き返すことの方が多い」というお話もあって、「やっぱりそうなんだ」と自分勝手に納得しました。

とはいえ、そこは「性豪」。一筋縄ではいかない。都築さんが「40代以上の女性のほうがいいとおっしゃっていましたね」と聞けば「ええ」と答えるけど、「でも若い子もいいですね」なんてひっくり返したりもする。それでいて、「90歳くらいのおばあさんが手を伸ばしてきた」なんてイイ話も出てくる。圧巻なのは家族の話。安田老人は、現在奥さん、娘さんと同居している。ところが、家族は「性豪」としての一面を「知らない」と言い張るのです。んなわけないじゃんと思うのだけど、断言して譲らない。聞いているうちに、もしかしたら本当かもしれないなあという気になってくるから不思議です。

カサノヴァとは違って簡単には「愛」を語らない安田老人。この人の見ている世界は、ものすごく淫猥なんだけど、確固とした純粋さもあるような気がします。最後に語ってくださった僕たちへのアドバイスは「金はからませちゃいけない」。トークショー後はサイン会。大満足で外に出ると、クリスマスソングが流れていました。表参道ヒルズに向かう人も多いみたい。あそこの地下にこっそり裏ビデオ屋があったらおもしろいのに。

 

Posted by tekigi1969 at 2006年12月13日 20:31
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