2009年05月23日

●自分が正体不明なナニカになるとき

1、こないだパンクした自転車をひいて歩いていたとき。
  ちょうど下校時間帯だったので、
  たくさんの小学生とすれちがった。
  ランドセルを背負った低学年の子たち。

2、2、3年生くらいの男子二人が
  話しながら歩いてて、
  突然「あ、デカイ蟻がいる」と叫んで立ち止まる。
  「ホントだ」
  どうやったら、会話しながら、蟻が見つけられるのか。
  すげえなあ、と感動しながら、自転車ひきひきすれちがった。

3、ひときわ小さい、たぶん1年生の男の子が
  うつむきながら歩いてきた。坊主アタマ。
  彼も蟻を探しているのだろうか。
  ぶつからないように、と思いながら、近づいた。
  3メートルくらいになったとき、彼はふとこっちを見た。
  じっと見つめて、そのまま立ち止まってしまった。

4、どうしたんだろう。
  思いながら、近づいた。

5、すれ違う寸前、
  意を決したように、彼は小さな声で
  でもはっきり聴き取れるくらいの感じで
  「こんにちは」
  とぼくを見上げて、そう言った。
  なんだかわからなかったけど
  ぼくも「こんにちは」。
  立ち止まるべきか迷った。

6、ところが、彼は二の句がつげなかったらしく
  瞬間迷ったあげくに、駆け足で通り過ぎていった。

7、わお。なんだなんだ。
  ちらと見えた彼の表情は満足そうだったから、
  どうやらこれでよかったらしい。
  ぼくはそのまま自転車屋へ。
  一度振り返ったけれど、彼は元のペースで地面を見ながら歩いていた。

8、あの少年の目に、
  ぼくはなんだと映っていたのだろう。
  知り合いかもしれないけど、違うかもしれないひと
  外国人
  未知のなにか
  かわいそうななにか
  分からないけど、
  きっとデカイ蟻に匹敵するような、そういうアレなんだと思う。

9、てなわけで
  そこから自転車屋までは
  自分が正体不明の化け物になったような気分で
  歩いたのでした。
  「ミツバチのささやき」のフランケンシュタインになったような感じ。
  悪い気持ちじゃなかったですよ。

 

Posted by tekigi1969 at 2009年05月23日 17:30
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