2011年10月30日

●ぼくのみた胴上げ(その2)


前回のエントリーの続き)

1、関東に引っ越してからドラファンになった理由はいくつかあります。「遠くにありて」的な故郷贔屓もありそう。でも、いちばんのきっかけは04年の日本シリーズ。何気なくテレビで観た荒木・井端の二遊間の連携、外野を守るアレックス・英智の美技にやられた。守備がカッコイイんですよ。守っているときにワクワクするのは初めてでした。シリーズが終わるころには、ぼくも奥さんも自然に中日を応援するようになっていた。そして、このベンチにもあのひとがいました。選手でなく監督としての落合博満さん。

2、それからちょくちょくドラゴンズの試合をチェックするようになりました。21世紀になって、プロ野球は「いつでもタダでテレビで見られるもの」ではなくなった。しかも関東だから、中日ドラゴンズの試合なんて地上波ではめったに見れない。聞けない。でも、日が暮れるとAMラジオの電波はあんがい遠くまで届くんです。横浜でも、ラジオのアンテナを延長すれば、夜7時すぎから雑音混じりの東海ラジオを聞くことができました。

3、3度目の胴上げは06年の東京ドーム。10月10日で、ぼくは初めて観客としてその場にいました。チケットを取ったのはたしか前日。「関東で優勝が決まるかもしれない」なんてめったにあることじゃない。前夜の勝利が確定的になったときにダメ元でネットから確認したら、なんと内野自由席がまだ残っていて、しかも割引料金!20世紀なら東京ドームの巨人最終戦の割引席が残ってるなんてありえなかったんじゃないだろか。そういう意味では、21世紀のプロ野球も悪いばっかりじゃないっす。勢い込んで奥さんと出かけて、3塁側のドラファンたちとメガホンふって、バンザイをしました。試合は延長の末の劇的な勝ち越し。インタビューで落合監督は涙声でした。ぼくは4時間以上の熱戦の間じゅう飲んでいたビールとワインでベロベロで、そこいらじゅうのひととハイタッチしていたのを覚えています。

4、それで今年。4回目の胴上げは、横浜スタジアムの一塁側(ホーム側)からでした。もっとドラゴンズファンが混じっているかなと思ったんだけど、まわりはだいたい地元のベイスターズファン。派手な応援はできないけど、でも、その分いつもよりマジメにしっかり試合が見れました。

5、ブランコの同点3ランが出たのは6回表。敵側応援席で思わず「やった!」と立ち上がってしまったんだけど、周囲のあちこちに同じような仲間を発見。じつはけっこういたらしい。それまではみんなベイファンの方々の邪魔にならないように、おとなしくしてたんじゃないかな。見つけた彼らと握手を交わして、そこからは「すみません。ドラファンです。おじゃましております」という顔で、声援を送りながらみました。

6、いつだって優勝の瞬間はあんまり覚えてません。記憶に残るのは、いつもそのちょっと前のことです。最後の打者が2ストライクからファウルを打った直後。最後の攻撃で得点圏にランナーを置いて好打者が打席にゆっくり向かっている瞬間。来るべき瞬間を目前にしたときにできる、ちょっとした「間」。このときスタジアム全体からわきあがる、渦のような低いどよめき。ごおお、というか、どおおお、という音と空気。その振動がいつも必ず耳に残る。

7、これまでぼくが居合わせたすべての胴上げのグラウンドには落合博満さんがいた。今季限りで退団する監督の優勝インタビューの締めは「これからも選手たちを応援してあげてくださいね」。この「ね」のトーンはヤバかった。思わずうるっときたのはナイショです。隣のベイスターズファンのお姉さんから「おめでとう!」といわれた。こういうのってうれしい。負けるときも、ああいう笑顔でいられるファンでいたい。

8、これから先も、ふとした瞬間にあのどよめきを思い出す気がする。同じ気持ちをまた味わいたくて、またスタジアムにいくんだと思う。もしかしたら、好きなチームの優勝胴上げを生で見るチャンスがまたあるかもしれない。でも、そこにあのひとがいないというのは、まだちょっと上手く想像できないです。

9、いまはとにかくドラゴンズにCSを突破して、日本シリーズも制して欲しい。もう一度だけ、テレビでいいから、胴上げされる中日・落合監督をみたいな。


Posted by tekigi1969 at 2011年10月30日 18:06
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