2012年04月29日

●4月28日ヒトハコ時報「横須賀からの手紙」


1、去年に引き続き、友だちのやっている「ヒトハコ時報」に参加させてもらいました。不忍ブックストリート一箱古本市の当日、古書ほうろうさん前の編集室でリアルタイム制作・頒布するというフリーペーパーです。ツイッタアカウントは@Hitohako_jihoh。現地の様子は同時にUSTREAMでも配信されました。ぼくは、およそ1~2時間ごとにやってくる〆切に合わせて「横須賀からの手紙」という連載記事を即興で書いて送る役目。

2、以下、その原稿転載です。(30分くらいで推敲もしないで書いちゃってるので誤字脱字、いいかげんなところなど見つけても何卒ご容赦下さい)

●横須賀からの手紙第1回(12時発行)
去年に引き続き、今年も横須賀・浦賀の自宅から不忍に向けて短文をお届けすることになりました。宜しくお願いします。本を手に入れるには買う、借りるのが一般的だと思いますが、合法的な手段としてもうひとつ「もらう」という方法があります。いまでも強烈に覚えているのは中学1年生のときにもらった本です。それまでたいして口を聞いたことのなかった同級生(男子)に「この本あげるよ」といきなり渡されたのは、カート・ヴォネガット『スローターハウス5』でした。ぼくはその本をすごく気に入ったのですが、妙な具合の疑問が残りました。彼はなぜ、ぼくがそれを気に入ると分かったのか。そして、なぜそれをプレゼントしなくてはいけなかったのか。どうして、よりによってスローターハウスだったのか。何となく想像はつくのだけど、あんまり深入りするべきじゃないたぐいの事のような気がしたのです。高校生になって、別の同級生から「絶対に気に入るから」と自信満々に渡されたのはディック・フランシスの競馬シリーズでした。ミステリーはほとんど読む習慣がなかったのだけど、そこはさすがの名作。グイグイ楽しく読み、そう話しました。そしたら翌日さらに数冊、読み終わると次は10冊どさっ、どさっと持ってきてくれるようになってしまったのです。「そこまで好きなわけじゃない」とは言い出せず、全部読みました。このとき妙な疑問を感じることはなかったのは、たぶんこの同級生がきれいな女の子だったからです。今年はこんな感じで、本についてリアルタイムに書いてみようと思います。いまは4月28日朝9時過ぎ。1時間おきにやってくる〆切に間に合えば、次号でまたお会いしましょう。

●横須賀からの手紙第2回(印刷機トラブルで14時ごろ発行)
横須賀・浦賀の自宅から不忍に向け、1時間おきに書いております。ライター古田靖です。「ヒトハコ時報」を毎号続けて読むひとはあんまりいなさそうだけど、前回の「もらう本」の続きで「あげる本」について書きます。文章書きの仕事をしているにも関わらずぼくはあんまり本を持っていません。読書はそれなりにするのだけど、基本的に気に入った本を何十回もくどいくらいに読み返すタイプだからです。そのなかで「10年ごとに読もう」と決めた本がいくつかあって、ひとにあげるのはたいていその一冊です。10年ぐらいおきに読み返すと、始めて読むのと変わらないくらい新鮮な感じがするのと、感想がまるっきり変わるのがおもしろい。ときには「こんな本に熱を上げておったとは!若造めが」と10年前の自分を見下す楽しみまで味わえます。ちなみに若気の至り本は次の10年が来る前にだいたい処分しちゃいます。10代のときから40代になったいまもまだ継続的に読んでいて、ときどきひとにあげている本のひとつが澁澤龍彦「高丘親王航海記」です。初めて読んだとき「なんかすげえ。でもたぶんこの小説のホントのすごさを自分はまだ分かっていなんじゃないだろか」と思ったのが、この10年おき読書のきっかけになりました。もうすぐ43歳になるのだけども、まだじつは「ホントのすごさ」に届いている実感はわきません。ちょっとだけ分かりそうな予感が出てきたかな、とかそんなくらいです。いつかこの本を読んで「若かったなあ」と思うときが来るのでしょか。80まで生きたらもしかして。

●横須賀からの手紙第3回(16時ごろ発行)
横須賀・浦賀の自宅から古書ほうろう前編集部に向け、約1時間おきにお送りしている連載3回目です。ただいまお昼ごはんを食べ終わったところで、こちらも不忍と同じくきれいに晴れています。我が家からは浦賀湾が見えるのですが、きょうは咸臨丸フェスティバルというイベントをやっているようです。ちょっと興味があって、文章の仕事とは別に、ここ2年ほど個人で電書(よくいう電子書籍)をあれこれつくっています。先日はトルタルという無料の電子雑誌を創刊しました。原理的にいえば電書が古書になることはありませんが、つかわれているフォーマットが過去の遺物になる可能性はけっこうあります。そうすると、その電書を読むためには昔懐かしいデバイスをひっぱりださなくちゃいけなくなって、なかなかページがめくれなかったりして「読みづれえなあ」「こんなに面倒だったっけ」と悪戦苦闘しながら読むことになるかもしれません。面倒です。でもすげえ楽しい気もします。「電古書」の誕生です。電古書は放っておいても、いずれきっと生まれるでしょう。でも、いますぐ読んでみたい。それで「電”気”書籍」という言葉だけつくって、海を見ながらときどきボンヤリ考えてみています。このあいだ某万年筆職人さんに言われたのは「機械式テレビジョン」をつかった電気書籍構想でした。19世紀につくられた発明品で、ニプコー円盤というグルグル回る円盤をつかった電子式以前のテレビです。けっこうきれいに映るらしい。詳しく知りたい方はググっていただくとして、この大げさなデバイスをつかって短編小説を表示させてみたい。たぶん、それはすごく電古書に近いものになるんじゃないでしょうか。時間とお金と人手があったら、やってみたいことのひとつです。

続きは5月3日の「ヒトハコ時報」で書くつもりです。

     

<電子雑誌トルタル創刊号>
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 ダウンロードURL。無料。→トルタル創刊号
 読み方ガイド→「トルタルの読み方」
内容紹介PV(YouTube)→電子雑誌トルタル創刊します!



Posted by tekigi1969 at 2012年04月29日 13:57
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